誘惑される意志
質問です。
10年後、10万円がもらえる選択肢と、
いまから1万円がもらえる選択肢は、どちらが魅力的でしょうか。
人が誘惑に負けるメカニズム
人は何らかの大きな決意をしていても、
いざ、誘惑がやってくると、直前で決意が揺らいでしまう場合が多い。
なぜ、将来の大きな見返りより、目先の小さな見返りを、
選択してしまうのか。
それは、見返りの価値は、
いつもらえるかという時間に応じて目減りするから。
また、そういった価値の割引は、
一定時間に一定割合ずつ起こるのではなく、曲線で表される。
つまり、ずっと先の話だとほとんど割り引かれないけれど、
目先では、その割引は大きくなる。
だから、目先の誘惑は、小さな見返りであったとしても大きく見え、
将来的な大きな見返り以上の価値を持ってしまう。
これを、双曲割引という。
誘惑に打ち勝つ「意志」の役割
誘惑に打ち勝つ方法は、
多くの長期的な見返りをグループ化して足し合わせる。
いま、テレビを見て満足するか、
宿題をして明日褒められるか。
ではなくて、
(今回に限らず)テレビを見て満足するか、
常に宿題をして長期的に成績を上げるか。
つまり、意志の創作機能を使い、
納得のいくカテゴリー(物語やルール)を創り出すことで、
状況で割引が生じた目の前の価値を比較するのではなくて、
総合的な価値の大きさで比較をする。
意志のもたらす副作用
強い意志に縛られてしまうと、
ルールを守り続けること自体が目的化してしまう。
そうなると、自分の為になる選択がかえって出来なくなってしまう。
また、意志の働きで合理性が高まると、
満足度が減ってしまうことがある。
つまり、一見、合理的ではない慣習や習慣も、
満足度を維持するために、
意図的に合理性を回避しようとしていたのかもしれない。
『誘惑される意志』のまとめ
「人はなぜ、誘惑に負けそうになるのか。
それは、意志が弱いからだ。」
とはいえ、間違いなく誘惑は、
僕たちの内面に生じてくる。
そもそも、誘惑とは何か。意志とは何か。
それを、道徳的観点からではなく、科学的視点からみたとき、
そこには、今まで見過ごされてきた生物の本質があった。
誘惑される意志 人はなぜ自滅的行動をするのか
著者/訳者:ジョージ・エインズリー
出版社:NTT出版( 2006-08-30 )
定価:¥ 2,940
単行本
ISBN-10 : 4757160119
ISBN-13 : 9784757160118

