黒沢明、宮崎駿、北野武―日本の三人の演出家
私は仕事柄、デザイナーと呼ばれる人たちに会う機会が多い。
デザイナーの職業は所謂あこがれの職業である。華やかな世界で自分の好きなコトをして生計を立てていく…そんなイメージを持っている人も少なくはないだろう。まあ、実際はそんなイメージどおりのデザイナーなどなかなか見ないのだが…
私は、彼らの現実の話を聞く時、そして彼らの悩みの相談を受ける時、かの宮崎駿氏の一つの言葉がいつも頭をよぎる。
『漫画家になりたいと思った時の自分の情熱とか膨らんだ希望とかそういうものっていうのはね、彼らがデビューする時にどれほどつながっているんですかねえ。だって、「何だ、こんなもんをやりたいためにおまえは勉強もせずに漫画ばっか描いてたの!?」っていうふうに言いたくなるようなもんでデビューする奴が多すぎて(笑)』
現在のデザイナーの多くは、デザイナーという『創る』仕事にあこがれを持ってデザイナーを目指してきたはずだ。しかしながら、新しいものを創るという夢はいつしか、デザイナーという職業そのものへの目標に変わってしまった。『デザイナー』という職業そのものが、自身の本来のデザインへの夢を奪ってしまう。非常に苛酷な仕事環境に身をおきながら、『自分は何でこんなことをやっているのだろう』と嘆く。そんなデザイナーは決して少なくないのだ。
そう考えると、『職業』とは何だろうか。プロフェッショナルとは何だろうか。
かつて黒澤明監督が語っていたことを思い出す。
『そんなことはないと思いますよ。誰が映画作ってもいいわけでね。ただ問題は、本当に映画って言うものを摑んでるか、摑んでないかだと思うんですよ。(中略) 本当に映画が分かっているのか、映画って言うのを摑んでいるのか、そこが肝心じゃないですか。』
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